世界大百科事典(旧版)内の隠居分家の言及
【分家】より
…長男相続(長子相続)がきわめて多い日本の相続制下にあっては,次・三男は結婚してやがて分家すべきものと考えられてきた。第2はこうした次・三男が親(ふつうは両親)を連れて,あるいは両親に連れられて分家する隠居分家である。この場合,分家者が親となるか次・三男になるかは重大な問題である。…
【本家】より
…しかしながら分家との差をさほど強調しない本家もあり,それはとくに西日本に多くみられる。親が次・三男以下の子女をつれて分家する隠居分家の制度や,両親の祖先(位牌)祭祀を本家と分家で分割する分牌祭祀,選定相続などを行っている地域ではとくにその傾向が強い。これは本家が分家よりも卓越する価値あるものを持たぬからである。…
【末子相続】より
…最も多いのは子どもたちのうち長男から順に分家して,最後に残った末子が相続する方法であり,このほかには一度分家や転出した末子がふたたび両親のもとにもどって相続する方法もある。また親が長男にあとを譲ったのち,次・三男や女子を連れて隠居分家をくりかえし,最後に親と同居した末子が親のあとをつぐ方法も,一般的には長男相続(長子相続)と隠居分家の制度であるが,これも事実上末子相続に非常に近い相続形態である。 末子相続の特徴の一つは,末子相続といいながらも,相続継承者が末子に規定的に限定されないことであり,長男や仲兄(ちゆうけい)の相続もかなり認められる。…
※「隠居分家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」