世界大百科事典(旧版)内の《雑筆往来》の言及
【往来物】より
…この往来は,新年から歳暮まで毎月の往復書簡,計24通を並べたもので,季節の変化や年中行事に合わせて,生活の知識を書きこんだ模範文例集としての往来物の定型を作った。さらに鎌倉中期には,手紙を書くうえで必要な雑知識,慣用語句などを集めた《雑筆往来》も作られた。ついで南北朝・室町時代初期に作られた《庭訓(ていきん)往来》は,《十二月往来》の形式によりながら(8月が3通になっているために全25通から成る),室町初期の武家社会の諸行事に託して,書簡文作製のための基礎知識と,武家の生活に必要な諸知識を網羅的に収めることに成功している。…
※「《雑筆往来》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」