世界大百科事典(旧版)内の雪田植物群落の言及
【高山植物】より
…ハイマツのすきまや岩石地,砂礫(されき)地には矮小低木や草本植物を主体とするいわゆるお花畑が形成されるが,その地形,基層の安定性,水分の供給状態などを反映して多種多様な群落が形成される。すり鉢状の地形の底部に位置し,雪渓からの豊富な融雪水でうるおう湿潤な一帯には,コバイケイソウ,シナノキンバイ,ハクサンフウロ,イワイチョウ,ミヤマイ,ハクサンコザクラなどの典型的な雪田植物群落が形成される。また,やや緩斜面の中部の適量の地下水に恵まれた場所は,種類組成の点では最も豊富な中性お花畑が発達し,アオノツガザクラ,ヨツバシオガマ,タカネコウゾリナ,ハクサンイチゲ,チングルマ,ミヤマキンポウゲ,タカネナデシコ,クルマユリ,クロユリ,シロウマアサツキ,ハクサンチドリなどを伴った群落がみられる。…
【雪渓】より
…山岳地域において,積雪につごうのよい谷地形のなかに局地的に多量に降り積もった雪が,夏に遅くまで溶けきらずに残ったものをさす。氷期に氷河の浸食作用でできたカールや氷食谷のなかに生じることが多い。雪渓のできる位置と成因によって,吹きだまり型雪渓となだれ型雪渓に分けられる。吹きだまり型雪渓は,稜線の風下側に雪が吹きだまってできたもので,日本アルプスなど冬に西から季節風が吹くところでは,稜線の東側にこの型の雪渓が発達する(北アルプス劔沢の〈はまぐり雪〉雪渓,立山の内蔵助(くらのすけ)雪渓など)。…
※「雪田植物群落」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」