雲夢秦簡(読み)うんぼうしんかん

世界大百科事典(旧版)内の雲夢秦簡の言及

【秦】より

… 従来,秦帝国は法家思想に基づき厳刑主義を採用したとされているが,秦の法律の内容について残されている史料はほとんどなかった。ところが1975年に湖北省雲夢県睡虎地から統一秦直前の時期のものと推定される竹簡〈雲夢(うんぼう)秦簡〉が1000枚以上発見され,秦律の実態の一部が明らかとなった(睡虎地秦墓)。たとえば,これまで秦の法律は,商鞅が魏の李悝(りかい)が作った《法経》6編を基にして〈六律〉を作り,それが漢の〈九章律〉に吸収されたといわれてきたが,雲夢秦簡には二十数種の律名が明記されており,六律のほかに付加法としての律の存在を認めねばならなくなった。…

【睡虎地秦墓】より

…その結果,12座の墓を発掘し多くの副葬品を得た(〈雲夢〉の項目参照)。副葬品は,文房具をはじめ,漆,銅,鉄,陶,竹,木などで作った器物387点のほか,11号墓の棺の中から隷書で書かれた1100余枚の竹簡(雲夢秦簡)が発見された。この11号墓の墓主は,竹簡の記載から法律・文書関係を担当する県の下級官吏で,名を喜といい,秦始皇帝30年(前217)に死亡したことが推定される。…

※「雲夢秦簡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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