青年団自主化運動(読み)せいねんだんじしゅかうんどう

世界大百科事典(旧版)内の青年団自主化運動の言及

【社会教育】より

…これに対して,民衆の自主的な学習運動は,明治期には,自由民権運動を担った各地の結社が組織した政治問題や人権思想の学習活動,青鞜社にみる婦人解放運動や片山潜の指導した労働運動のなかでの学習活動をあげることができるが,いずれも集会条例や治安警察法の規制や民衆教化事業の展開によって封じ込められる。 大正期には,普選運動の高まりのほかに,労働争議,小作争議の激化のもと,全国的に労働学校や農民学校が生まれる一方,長野県上田地方の農村青年が新進気鋭の評論家や大学教師などを招いて開催した自由大学が各地にひろがる動きがみられ,また官僚の指導や干渉を排して青年による自治を掲げた〈青年団自主化運動〉も展開された。しかし,こうした民衆による本格的な社会教育活動の芽生えに対しては,治安維持法を頂点とする弾圧とともに,協調会による労務者講習会,内務省指導下の青年団天幕講習会,文部省による成人教育講座など民衆をとらえようとする新しいこころみが,臨時教育会議設置(1917)にみられる国民教化事業の全体的な強化のもとでなされていったのである。…

※「青年団自主化運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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