世界大百科事典(旧版)内の非摂動系の言及
【摂動論】より
…主要部分(H0)のみの場合の正確な解が求められているとき,この解をもとにして,摂動による補正を逐次近似で求める計算法が摂動論と呼ばれるものである。これが有効に用いられるためには,主要部分(これを非摂動系という)の解が正確,明りょうな形で求められていること,摂動の効果が小さいことが必要である。
[古典力学における摂動論]
例えば太陽系の惑星の運動を論ずる場合,惑星には太陽からの引力のほかに他の惑星からの引力が働いている。…
【遷移確率】より
… 量子力学では,この種の問題を一般化して次のように扱う。主として考えている系(今の例では原子)を非摂動系と呼び,それが孤立しているとき,いくつかの定常状態をもつとする。付加的な系(今の場合は光)が存在して,非摂動系との間に摂動と呼ばれる相互作用があると,非摂動系は一つの定常状態に永久にとどまっているのではなく,いくつかの定常状態の間を移り歩く。…
※「非摂動系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」