世界大百科事典(旧版)内の頭化の言及
【頭】より
…動物の積極的な移動は,好適な場所や食物の獲得を主要な動機として方向性をもって行われ,そのための動物体の構造が発達・分化したと考えられる。前後軸の確立と前進方向への運動力の効率的な強化,そして前端部への摂食・感覚および調整の機能の集中などがそれであり,これが頭部形成cephalization(頭化)といわれるものである。しかし,その程度・様相は種類や生活様式によってさまざまである。…
【頭骨】より
…その考えはおもに体節の発生と脳神経の分節的配置に基づいて推論されるもので,軟骨魚類以上の動物の頭蓋は少なくとも九つの分節をもつといわれているが,十分な確証はまだ得られていない。頭部の構造の一部に分節性が見られるにもかかわらず,その起源が不明りょうであるのは,脊椎動物では中枢神経,感覚器,呼吸器,食物摂取装置という重要な構造がそこに集中し,頭部が極度に複雑化(これを〈頭化〉という)した結果である。【田隅 本生】
【ヒトの頭骨】
ヒトの頭骨も脳を入れる神経頭蓋と顔面をつくる内臓頭蓋とに区別される。…
【動物】より
…[2]体は左右相称となり,一定の方向に進むのに適する動物 左右相称動物と呼ばれ,前記以外のすべての動物を含み,中胚葉がある。体は相称面が一つしかない左右相称で,前後,背腹の別があり,前端には感覚器官と口が集まっていることが多く(頭化),一定の方向に進むのに適している。ヒトデやウニの成体は放射相称であるが,幼生は左右相称であるから,成体の体型は二次的に変形したものと考えられる。…
※「頭化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」