額絵(読み)がくえ

世界大百科事典(旧版)内の額絵の言及

【仏画】より

…厨子絵に描かれる諸尊の配置は,堂内壁画と密接な関係があり,壁画の伝統性をよく保持し,壁画形式を脱皮しえないまでも,堂内の所要の個所に安置することができるため,厨子絵によって仏画はようやく寺院壁画から離脱して,移動の自由を獲得するにいたった。(3)額絵 仏台や牙台と呼ばれる台上に柱を立てて〈補陀落山浄土変〉や〈薬師浄土変〉の額絵を装着する記載が《西大寺流記資財帳》(宝亀11年(780)奥書)にあり〈障子絵〉と注記され,この額絵形式は古くから存することが知られる。この種の遺品としてはわずかに《吉祥天像》(薬師寺)がある。…

【仏教美術】より

…浄瑠璃寺旧蔵の吉祥天厨子(東京芸術大学)や弥勒菩薩厨子(興福寺)などがその例で,内部に舎利や両界曼荼羅などを納める携帯用の小型厨子も流行した。 奈良時代には壁画のほかに補陀落(ふだらく)山,薬師浄土変相など大画面の額絵もあったことが記録類にみられるが,遺品はわずかに吉祥天像(薬師寺)のみである。また大般若・華厳変相の大繡帳の掛幅も《大安寺資財帳》にみえる(繡仏)。…

【リトグラフ】より

…明治10年代の石版画は雑誌,書籍の挿絵として興隆し,小柴英(1858‐1936),高橋節雄(1865‐1938),渡辺幽香(1855‐1942)らが活躍した。明治20~25年は〈額絵〉という鑑賞用一枚もの石版画の全盛時代となる。大判が刷れ,写真的な本物らしさが出せる砂目石版に筆で彩色したものが流行し,《経国美談》の挿絵で知られる亀井至一(1843‐1905)らが腕を振るった。…

※「額絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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