世界大百科事典(旧版)内の顔見世だんまりの言及
【だんまり】より
…安永期(1772‐81)の江戸歌舞伎において顔見世狂言の仕組みの一類型となって演出の洗練を見,寛政末期(1800年ころ)以後さかんに行われるに至ったものと考えられる。顔見世狂言の中で行われたものを〈顔見世だんまり〉と呼び,その性質を応用して地方興行などの開幕劇に演じるものを〈お目見得だんまり〉と名づける。 〈時代だんまり〉の場面は,人跡まれな深山,曠野,荒涼たる古御所など,座頭(ざがしら)役者の扮する大百日鬘(かつら)に四天(よてん)姿の大盗賊を中心に,狩倉姿の殿様,お姫様,廻国の修験者,若侍などいろいろな役柄の人物が,それぞれ特徴のある扮装で登場,白旗や家の重宝の類を手探りで拾ったり,奪い合ったりする。…
※「顔見世だんまり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」