六訂版 家庭医学大全科 「食習慣」の解説
食習慣
しょくしゅうかん
Diet
(生活習慣病の基礎知識)
「好きなものばかり食べる」「夜遅くに食事をする」「お酒を飲みすぎる」など食生活の乱れや偏りが問題となっています。あなたの食生活はいかがでしょうか?
健康な体を維持して食生活を送るためには、バランスのよい食事をすることが大切です。しかし、「バランスのよい食事」といっても、どのような食事のことをいうのでしょうか、わからない方も多いと思います。
そこで、この“バランス”をわかりやすく示すため、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかをイラストで示した「食事バランスガイド」(図11)が作られました(厚生労働省・農林水産省による)。
コマのイラストにより、1日分の食事を表現し、これらの食事のバランスが悪いと倒れてしまうことを表現しています。あなたのコマはうまく回っているでしょうか?
食事の量
食事の適量は性別、年齢、活動量によって異なります。 食事バランスガイドのコマのイラストにある1日分の適量は、2200±200k㎈を表しており、活動量が「ふつう」の成人女性、活動量が「低い」成人男性が該当します。
さらに強い運動や労働を行っている人は、適宜調整が必要です(図12)。
料理の種類
食事バランスガイドでは、毎日の食事を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つに区分し、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いています。また、欠かすことのできない水・お茶、菓子・嗜好飲料、運動についてもイラストで表現をしています。
①主食
炭水化物などの供給源であるごはん、パン、麺、パスタなどを主材料とする料理が含まれます。
※1つ(SV)=炭水化物約40g
・料理例
1つ分=ごはん小盛り1杯/おにぎり1個/食パン4~6枚切1枚/ロールパン2個
1.5つ分=ごはん中盛り1杯
2つ分=うどん1杯/もりそば1杯/スパゲッティー1皿
②副菜
ビタミン、ミネラル、食物繊維などの供給源である野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする料理が含まれます。
※1つ(SV)=主材料の重量約70g
・料理例
1つ分=野菜サラダ/きゅうりとわかめの酢の物/具だくさん味噌汁/ほうれん草のお浸し/ひじきの煮物/煮豆/きのこソテー
2つ分=野菜の煮物/野菜炒め/芋の煮っころがし
③主菜
蛋白質の供給源である肉、魚、卵、大豆および大豆製品などを主材料とする料理が含まれます。
※1つ(SV)=たんぱく質約6g
・料理例
1つ分=冷奴/納豆/目玉焼き一皿
2つ分=焼き魚/魚の天ぷら/まぐろとイカの刺身
3つ分=ハンバーグステーキ/豚肉のしょうが焼き/鶏肉のから揚げ
④牛乳・乳製品
カルシウムの供給源である、牛乳、ヨーグルト、チーズなどが含まれます。
※1つ(SV)=カルシウム約100㎎
・料理例
1つ分=牛乳コップ半分/チーズ1かけ/スライスチーズ1枚/ヨーグルト1パック
2つ分=牛乳瓶1本分
⑤果物
ビタミンC、カリウムなどの供給源である、りんご、みかんなどの果実およびすいか、いちごなどの果実的な野菜が含まれます。
※1つ(SV)=主材料の重量約100g
・料理例
1つ分=みかん1個/りんご半分/かき1個/梨半分/ぶどう半房/桃1個
⑥菓子・嗜好飲料
菓子・嗜好飲料は食生活のなかで楽しみとしてとらえられ、食事全体のなかで適度にとる必要があることから、イラスト上ではコマを回すためのヒモとして表現し、「楽しく適度に」というメッセージがついています。1日200k㎈程度を目安にしてください。
・200k㎈の目安
せんべい 3~4枚/ショートケーキ 小1個/日本酒コップ1杯(200ml)/ビール 缶1本半(500ml)/ワインコップ1杯(260ml)/焼酎(ストレート) コップ半分(100ml)
和田 高士
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報