世界大百科事典(旧版)内の高山商人の言及
【高山[市]】より
…各組ごとに家持の中から選ばれる組頭がこれを補佐し,重要事項は惣町(3ヵ村全体)の町年寄・組頭の合議によって決定した。 近世の高山は,飛驒国内の経済の中心として,また他国との商業活動の拠点としても重要な位置を占めており,他領からの米,塩,肴,木綿などの買入れ,他国への生糸,紬などの販売は,多くは高山商人の手によって行われた。なかでも〈旦那衆〉と呼ばれる豪商たちは富山藩などを相手に多額の大名貸をも行っており,周辺農村に対する高利貸経営によって,幕末期には高山町人全体で約5000石もの土地を集積するに至っている。…
【飛驒国】より
…そして生糸・紬等の買付けや,逆に他国からの日常生活物資の売込みのため,他国商人の往来がはげしく,高山の町がその中心地として急速に発展したほか,古川,萩原,小坂等の在郷町も物資の集散地として成長を遂げた。中でも高山商人の広域的な活動はめざましく,〈旦那衆〉と呼ばれる豪商たちを生み出した。またこうした経済的発展の中で,高山町人の中から国学者田中大秀(本居宣長門下)らの文化人が輩出し,飛驒の文教面での発展に影響を与えた。…
※「高山商人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」