…1932年に帰国して,独裁者小説の傑作の一つに数えられる《大統領閣下》(1946)を発表したのを皮切りに,インディオの神話や伝説に依拠した《トウモロコシの人間たち》(1949)や,北アメリカ資本による収奪を鋭く告発した三部作《強風》(1950),《緑の法王》(1954),《死者の目》(1960)を世に送り,ラテン・アメリカ文壇における地位を不動のものにした。後期の《ある混血の女》(1963),《リダ・サルの鏡》(1967),《マラドロン――緑のアンデスの叙事詩》(1969)といった小説はいずれも,社会的・現実的要素とマヤの神話的宇宙観とがみごとに融合した,いわゆる魔術的リアリズムの傾向に属している。これらのほかに《金持の坊ちゃん》(1966),《四つのうちの三つの太陽》(1971)などの作品があり,さらに,詩集《ひばりのこめかみ》(1949),《春の夜の目覚め》(1965)や,戯曲《ソルーナ》(1955),《地方裁判所》(1957)もある。…
※「魔術的リアリズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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