世界大百科事典(旧版)内の鳩尾板の言及
【甲冑】より
…また,冠板などの金具廻りによって防御性を高め,両肩の肩鎧は幅広の楯状に変化し,大袖となった。左手に持たれていた手楯は小型化して鳩尾(きゆうび)板となり,栴檀(せんだん)板とともに胸部と高紐(たかひも)の空隙を防御する装置となった。鎧を肩につる綿嚙(わたがみ)(肩上(わたがみ))に障子板を立てて頸部を保護し,胴正面から左脇にかけて弦走韋(つるばしりのかわ)を張って,弓射の際,小札が弦の邪魔にならないようにしている。…
【鎧】より
…草摺は正面,射向(左脇),馬手(めて)(右脇),引敷(ひきしき)の4間にわかれ,ふつう小札板(垂れ)5段(前後を4段にしたものもある)を下げて裾(すそ)板(菱縫(ひしぬい)板)に畦目(うなめ)と菱縫を施す。背面の押付板から両肩にわたる綿嚙(わたがみ)にはくびの部分を守る障子(しようじ)板を立て,さらに綿嚙の手先の左右の胸板と引き合わせる高紐のあきを防ぐための鳩尾(きゆうび)板と栴檀(せんだん)板を垂らす。背面の逆板の中央には総角(あげまき)つきの大座の鐶(かん)を打ち,両肩に冠(かんむり)板のある5条ないし7条下りの大袖(おおそで)をつける(図)。…
※「鳩尾板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」