麦正月(読み)むぎしょうがつ

世界大百科事典(旧版)内の麦正月の言及

【農耕儀礼】より


[日本]
 日本の農耕儀礼は稲作儀礼が基調になっているが,かつて農民の主食であった麦やアワ,ヒエ,いも類の儀礼もしくはその痕跡と思われる行事もいろいろ行われている。西日本の一部では,1月20日を〈麦正月〉といって,麦飯ととろろ汁を食べて麦畑に出かけ,そこに蓑(みの)を敷いて麦の実が満ちた状態の所作を行った。東日本では,1月20日は〈粟穂(あわぼ)・稗穂(ひえぼ)〉といって,ヌルデの木を10cmくらいに切り,皮をむいて白くしたものを粟穂,皮つきのものを稗穂にみたてて,割竹の先にさしたり,藁(わら)で結んだりして庭前に立てる。…

【麦】より

… 麦の播種祝は,マキアゲ,クワアゲ,ツボオサメ,ゴミオトシなどといい,農具を洗って供物を供えたり,小豆粥やぼた餅などを作って祝い,氏神に参ったり近所に配ったりした。麦正月ともいう正月20日には,麦ホメという予祝行事が中国地方を中心に行われる。広島県比婆郡では,正月20日の夕方に麦とろを食べてから外に出て〈今年の麦はできがようて背中から腹へ割れるべよう〉と大声で唱えたという。…

※「麦正月」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む