世界大百科事典(旧版)内の黒人俳優の言及
【ブラック・シネマ】より
…白人の社会で差別された黒人は,黒人の社会で黒人だけの娯楽場や映画館をもつ必要にせまられ,そのため1914年ころから黒人の手で黒人のための映画がハリウッドの外でつくられつづけた。 黒人の生活と宗教を題材にしたキング・ビダー監督の〈オール・ブラック〉映画《ハレルヤ!》(1929)のような例外もあるが,ハリウッド映画で黒人俳優が演ずるのは,白人に支配されて白人に仕える類型的な役に限定されていた。38年人気歌手レナ・ホーンが黒人演技者として初めてハリウッドの〈メジャー〉の一つであるMGMと長期契約を結び,またアメリカのラジオで歌った最初の黒人歌手ハッティ・マクダニエルが《風と共に去りぬ》(1938)で黒人俳優として初めてアカデミー助演女優賞を受賞し,黒人の登場する映画が次々につくられ,さらにシドニー・ポワチエSidney Poitier(1924‐ )が《野のユリ》(1963)でアカデミー主演男優賞を受賞するに至って,ハリウッドにおける黒人俳優の存在は確固たるものになった。…
※「黒人俳優」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」