世界大百科事典(旧版)内の27年世代の言及
【スペイン文学】より
…なお19世紀も末になるとフランスの自然主義が移入され,E.パルド・バサン,クラリンClarín(1852‐1901),V.ブラスコ・イバーニェスらがすぐれた作品を残した。
【〈98年世代〉から〈27年世代〉へ】
1898年の米西戦争の敗北で祖国が最後の植民地を失ったとき,スペインの後進性を痛感し,苦悩のうちに未来を模索した作家たちを〈98年世代〉と呼ぶが,その中心となったのは《生の悲劇的感情》で理性と信仰の葛藤を論じ,それをヨーロッパとスペインとの関係にまで広げたM.deウナムノ,古典文学の再評価を通してスペインの魂を探求したアソリン,スペイン文学史上最も完成された小説家のひとりに数えられるP.バローハ,詩集《カスティリャの野》で,荒涼としたカスティリャの風景の観照を通してスペイン(人)の本質をさぐったアントニオ・マチャードらである。概してペシミズムを基調とし,真のスペインを発見しようとした〈98年世代〉に対し,ヨーロッパの思想に沿おうとした知識人たちを20世紀の〈第2の世代〉と呼ぶ。…
※「27年世代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」