世界大百科事典(旧版)内のPS 版の言及
【写真】より
…写真製版には古くから重クロム酸塩の感光性を利用する重クロム酸卵白あるいはグルーが使われてきたが,この時代には材料の保存性が悪いため作業者がみずから製版用感光材料を準備しなければならなかった。1960年代になってジアゾ樹脂をアルミニウム板に塗布したPS版がオフセット印刷製版材料として開発され,重クロム酸塩の材料はしだいに姿を消した。また,光重合によって不溶化する感光性樹脂がアメリカのデュポン社によって凸版用材料として開発され,新聞印刷用の鉛版が感光性樹脂凸版に置きかえられるようになった。…
【平版】より
…写真製版の技術を応用して版をつくるいわゆる写真平版の場合は,画線は油脂色材による描画の代わりにコロイドの硬化層でつくられ,その表面に油脂があたえられる。写真平版の一種であるPS(pre‐sensitizedの略)版は,あらかじめメーカーにおいて感光膜を塗布して供給されるもので,光にあたって反応を起こすと,不溶性,あるいは親水性,または疎水性になる高分子を組み合わせて版を構成している。このほか,大量の印刷ができるものとして多層平版があり,これは油脂にぬれやすい金属(例えば銅)で画線を,水にぬれやすい金属(例えばクロム)で非画線を形成して,選択湿潤を合理化している。…
※「PS 版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」