世界大百科事典(旧版)内のAllodの言及
【ゲルマン人】より
…なぜならタキトゥスの記述にあるように,土地がありあまっていて,粗笨な耕作方法しかなかった当時にあっては,大土地を領しているということが権力保持の基礎条件ではなく,むしろ逆に,カリスマ的に貴族や良い家柄であるということが,結果として大土地所有または農民支配の可能性をもたらしたのであり,〈封〉として上級支配者から与えられたものではなかったからである。このような事情から,封建制が成立する8~9世紀になっても,古ゲルマンの伝統の強いドイツの諸地域では,フランスなど旧ローマ帝国領での〈封〉の考えとは別に,貴族や在郷小領主などの自生的な〈支配〉と自由世襲地Allodの観念が尾をひいて残ることとなった。 古ゲルマン時代における貴族や従士のあり方は,考古学が発達した結果,特に城砦(ブルク)の分布との関係で,漸次明らかにされつつある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」