世界大百科事典(旧版)内のAlvarez,L.W.の言及
【電子捕獲】より
…実際,β+崩壊と共存していることが多いが,β+崩壊がエネルギーのつり合いから不可能な場合(陽電子の放出には負のエネルギー状態にある電子を正のエネルギー状態へもち上げねばならないので,少なくとも電子質量の2倍に相当する崩壊エネルギーが必要である)には電子捕獲しか起こらない。歴史的には1935年に湯川秀樹と坂田昌一(1911‐70)によってその存在が理論的に予言され,38年にアメリカのアルバレズLuis Walter Alvarez(1911‐88)が初めて実験的に検証した。放出される粒子が中性微子だけであるので,その検出には電子が捕獲され,あいた空孔へ再び電子が上の軌道から落ちるときに放出される特性X線かオージェ電子の観測によらざるをえない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」