Appia,A.(その他表記)AppiaA

世界大百科事典(旧版)内のAppia,A.の言及

【演出】より

…彼は,日常的な生活感がにじみでる写実的な舞台を拒否しようとし,劇作家,舞台装置家,俳優の上に演出家の絶対主権を主張し,俳優に生ける人形であることを要求した。また,スイスの舞台装置家アッピアAdolphe Appiaは,照明と彫塑的な装置による俳優活用の演出を主張した。 20世紀に入るとドイツのM.ラインハルトは豊かな想像力と構成力によって絢爛,雄大な演出力を示したが,すぐれた俳優指導者でもあった。…

【前衛劇】より

…したがってそれは,原則的には時代を問わぬものであるが,普通は19世紀末から20世紀以降にあらわれた,既成の演劇に対するさまざまの革新的演劇運動を,個々の思想的背景や具体的な演劇形式の差異を含みつつも,そこに認められる前衛精神の共通性において,一つの同様のものとして〈前衛〉と呼ぶことが行われている。 前衛劇とはこのようにあいまいな概念であるから,具体的に誰のどのような演劇を〈前衛的〉として評価するかについても,見解の相違の存するところとなるが,たとえばスイス生れの舞台美術家アッピアAdolphe Appia(1862‐1928)やイギリスの演出家E.H.G.クレーグによる舞台空間の一大革新,ウィーン生れの演出家M.ラインハルトの壮大なスペクタクル的演出による祝祭的演劇空間の創造,また,革命後のロシアにおけるV.E.メイエルホリドの独創的肉体訓練〈ビオメハニカ〉の実践やV.V.マヤコーフスキーの革命神秘劇《ミステリヤ・ブッフ》の上演などに見られるさまざまの演劇上の革新,絶叫や極端に圧縮されたせりふを多用するA.シュトラムをはじめG.カイザー,R.ゲーリングなどのいわゆるドイツ表現主義演劇,イタリアのF.マリネッティの主唱に基づく未来派の演劇などは,多くの人々が共通にあげる前衛的演劇のいくつかの例であろう。また,ドイツのB.ブレヒトの異化の手法を用いての問題発見とその解決を観客に迫る叙事演劇(のちには弁証法の演劇)も,その時代の,そして時代を超えた〈前衛精神〉の発露として多くの人々の共鳴するところとなっている。…

【舞台照明】より

…したがってそれは電気技師の仕事の一部にすぎなかった。1920年ころ,舞台美術家であるとともに演出家でもあったスイスのアッピアAdolphe Appiaとイギリスのゴードン・クレーグの2人が,前者はオペラ,後者は演劇の分野で,照明の重視と光と影による立体的,象徴的な舞台装置を提唱した。当時の照明技術では両者の提案を実現することができず理論倒れに終わったが,第2次大戦後,再開したバイロイト祝祭劇場の総監督ワーグナーWieland Wagner(1917‐66。…

※「Appia,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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