世界大百科事典(旧版)内のCaesariusの言及
【キリスト教文学】より
… 中世を通じて多くの聖人伝,殉教者伝,奇跡物語が制作された中で,その初期に異彩を放つのは作者不明の《聖女ゲノウェウァ伝》で,ほぼ8世紀ころにさかのぼると考えられ,俗語でもすでに11世紀にかなり文学的な《聖アレクシ伝》がある。ことにハイステルバハのカエサリウスCaesarius(1180ころ‐1240ころ)の《奇跡問答》は,多数の興味あるエピソードを集めて広く愛読された。また13世紀末ころに編さんされたと思われる《ローマ人事績》は,古今の逸話およそ180編を集め,内容も雑多ではあるが,イギリスの学僧の手に成ると思われ,宗教的な敬虔が全般をおおい,宗教文学といわれるべき条も少なくない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」