世界大百科事典(旧版)内のCrocodilopolisの言及
【ファイユーム】より
…【吉村 作治】 古代においては,〈南の湖〉といわれたカールーン湖(古代名モエリス湖)は,現在ではこの地方全体の約1/5を占めているにすぎないが,プトレマイオス朝での多くの干拓工事以前にあっては,ほぼこの地域全体を占めていた。この地方の主神はワニをかたどったソベクSobekであり,その中心地はクロコディロポリスCrocodilopolisであった。湖岸段丘からルバロア型旧石器が発見され,湖北にはファイユームA文化と呼ばれるエジプト最古の農耕文化の遺跡もあり,さらには古王国時代の遺構も残るが,この地方が最も栄えたのは第12王朝およびプトレマイオス朝時代である。…
【ワニ(鰐)】より
…すなわち生命の源であるナイル川を象徴する聖獣として,ワニは水の豊饒性や再生の観念と結びつけられる一方,その貪欲(どんよく)さと恐ろしい外観により邪悪な力の体現者として,悪神セトや死あるいは冥府と関連づけられた。ワニの神格化も行われ,ワニの頭をもつ人間,ないしはワニそのものとして表されるソベクSobek神は,クロコディロポリスCrocodilopolis(〈ワニの町〉の意)をはじめエジプト各地で崇拝され,ファイユーム地方からは同神にささげられた大量のワニのミイラが出土している。彼はセトと共謀してオシリスを殺害したともいわれる。…
※「Crocodilopolis」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」