世界大百科事典(旧版)内の《DasTestamentvonDr.Mabuse》の言及
【マブゼ博士】より
…第1次世界大戦後ドイツの混乱した退廃的な社会で催眠術と変相術を巧みにつかい,強大な組織をあやつって闇の世界を支配しようとし,追いつめられたあげく狂人となって発見される心理学博士マブゼは,いわば《カリガリ博士》と同一の系列にある人物であり,すでにヒトラーのイメージを引きずっているといわれ,犯罪は大規模であるほど成功するというヒトラーの《わが闘争》の理論を先取りしているとも評された。そして,あきらかにマブゼとヒトラーの二重像をつくりあげたトーキー版の続編《怪人マブゼ博士》(原題《Das Testament von Dr.Mabuse(マブゼ博士の遺言)》1932)は,ナチスによる最初の上映禁止映画になった。また,マブゼの物語を再映画化した《怪人マブゼ博士》(原題《Die tausend Augen des Dr.Mabuse(マブゼ博士の千の目)》1960)は,ハリウッド時代を終えてドイツに帰ったラングの最後の監督作品になった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」