世界大百科事典(旧版)内のDementiapraecoxの言及
【精神分裂病】より
…まず,フランスのB.A.モレルがその《臨床研究》(1852)で,若年者に発症し急速に痴呆状態へと進行する精神病を〈早発痴呆démence précoce〉と名づける一方,ドイツではK.L.カールバウムが1874年(63年説もある)に精神運動性の興奮と昏迷という相反する状態をふくむ病像を〈緊張病Katatonie〉と名づけた。またE.ヘッカーが1871年に思春期に始まって感情鈍麻や意欲減退を示しながら欠陥状態へと至る病像を〈破瓜病Hebephrenie〉と命名し,最後にE.クレペリンが1899年の彼の《精神医学教科書》第6版であとの二つをまとめ,これに〈妄想痴呆〉を加えて〈早発痴呆Dementia praecox〉と呼んだ。しかし,症例の観察を重ねていくと,普通の意味の〈痴呆〉が生ずるのでも,つねに青年期に始まるのでもなく,問題は精神機能の分裂にあることから,スイスのE.ブロイラーが〈精神分裂病Schizophrenie〉という新語を使いはじめ,主著《早発痴呆または精神分裂病群》(1911)を通じてこれが世界中へ広まった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」