世界大百科事典(旧版)内のDempster,A.J.の言及
【質量分析法】より
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[歴史的背景]
1898年,W.ウィーンは,陽極線が磁場の中で偏向されるという事実を見いだしたが,この発見が質量分析法の萌芽になったといえる。その後,J.J.トムソンによるネオンの同位元素の分離(1912)を経て,現在の原形となる質量分析器がデンプスターArthur Jeffrey Dempster(1886‐1950)(1918),F.W.アストン(1919)らによって考案され,それによる各種元素の同位体発見と,原子質量の測定(1925)等が行われた。第2次大戦までは,質量分析法はもっぱら原子質量の測定,同位体元素の存在比測定,あるいは原子または分子の電子衝撃法によるイオン化ポテンシャル,出現電圧あるいは結合解離エネルギーの測定等に用いられていたが,大戦後は,装置の飛躍的進歩と,高周波電場を利用した走査速度の速い四重極質量分析計が出現し市販されるにいたり,質量分析法は,有力で万能な種々の化合物の測定手法として広い分野で普及するようになった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」