世界大百科事典(旧版)内のdhowの言及
【インド洋】より
…中国の史書に波斯船(ペルシア船。義浄はこの船で渡印した),次いで大食(タージ)船(アラブ船,イスラム船)として現れる彼らの船は,1本マストで三角帆,側板の接合に鉄釘を用いずヤシの繊維の縄で縫ったダウdhowとよばれる小型船であった。後述の中国船と同じく,ペルシア湾の奥から広州まで単純計算で3ヵ月,しかし風向きの関係で実際は1年,往復で2年かかった。…
【モンスーン】より
…この冬と夏の航海期に合わせ,ペルシア湾やアラビア半島の諸港には,エジプトやシリアなどからキャラバン隊が結集し,インド洋貿易はキャラバンを通じて密接に地中海世界と結ばれていた。こうしたインド洋貿易に長く用いられてきたのがダウdhowとよばれる三角帆の縫合船であった。これは,インド洋西海岸やモルジブ産のチーク材,ココヤシ材を使ってつくられ,舷板の接合に釘を用いずヤシの繊維からつくったひもによって縫い合わせた独特の構造をもった船で,中世の史料では最大のもので艇身約35m,乗客約200人,約3tの積荷を積載した(家島彦一の研究による)。…
【輸送】より
…この季節風を利用すると3週間から1ヵ月にわたる連続航海が可能であった。船は,シュメール・アッシリア時代に起源をもつティグリス,ユーフラテス川で使われた葦船の系統をひき,ダウdhowと呼ばれた。これはインド,東南アジア産のチーク,ラワン,ココヤシなどの木材を使い,タールと縄で縫合した三角帆の船である。…
※「dhow」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」