世界大百科事典(旧版)内のFohr,C.P.の言及
【ナザレ派】より
…当初はフォルがドイツ的傾向を代表し,様式模倣を越えた詩情ある作品を残したが,彼の早世後はイタリア的傾向を代表するオーバーベックが中心となり,新しい画家も加わった。訓練不足を補う意味もあって,彼らはしばしば互いをモデルに〈中世ドイツ的〉細密さでデッサンしたが,親密さと性格洞察を備えたこれら肖像デッサンには好作品が多く,とくに夭逝したフォールCarl Philipp Fohr(1795‐1818)の作品はみずみずしい。しかし過去の規範の再興を目ざす彼らは教条主義,折衷主義に傾く嫌いがあり,また統一様式を形成するには個人主義的でありすぎた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」