世界大百科事典(旧版)内のGentzen,G.の言及
【数学基礎論】より
…その後ヒルベルト自身も述べているように,それは有限の立場を従前の初等的にではなく,より鋭い意味で用いることが迫られることを意味している。実際に,36年にゲンツェンG.Gentzenは有限の立場を一段と深化発展させることにより算術(純粋数論)の無矛盾性を達成するという画期的な仕事を行った。 ゲンツェンは1934年の学位論文《論理的推論の研究》において,数学で通常行われる推論をそのまま反映するような自然な論理計算の形式化を試み,それに技術的な推敲(すいこう)を行って1階の述語論理のまったく新しい形式の体系LK(ゲンツェン・タイプの体系という)を導入し,論理についてのまことに美しい法則〈LKで証明できる論理式は三段論法をまったく用いないで証明できる,すなわち,回り道のない証明を与えることができる〉(ゲンツェンの基本定理)を示したが,上述の36年の論文《純粋数論の無矛盾性》で,純粋数論をLKで形式化し,その無矛盾性を順序数ε0までの超限帰納法によって証明したのである。…
【不完全性定理】より
…しかし,これによってヒルベルトの計画が挫折したことを意味するものではない。実際に,36年,ゲンツェンG.Gentzenは有限の立場を一段と深化させることによって,純粋数論(算術)の無矛盾性を達成した。その証明には算術の範囲を超える論法が用いられているが,十分構成的なものである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」