世界大百科事典(旧版)内のgilleの言及
【ピエロ】より
…フランスでは,たとえばモリエールの《ドン・ジュアン》(1665)に田舎言葉まる出しのまぬけな百姓役として登場するが,1673年,イタリア人俳優ジャラトーニG.Giaratoni(ジラトーネ)が,真っ白なダブダブの衣装に幅広の帽子をかぶったピエロとしてパリの舞台に登場して以来,ピエロは圧倒的人気を博し,定期市の娯楽の主役となった。 同じイタリア喜劇に起源をもつ白塗り,白装束の召使にジリオがあるが,ジリオがフランス語化してジルgilleとなり,17世紀に〈間抜けのジル〉役としてフランスで人気者となった。18世紀に入るとピエロとジルは混同されて,有名なワトーの絵《ジル》に見るように,青白い犠牲者風の一つの悲劇的ピエロ像に変わってゆく。…
※「gille」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」