世界大百科事典(旧版)内のHighCourtの言及
【高等裁判所】より
…日本の控訴院はフランスの方式を継受したものとされ,現在の高等裁判所もその伝統をいくぶんか保っていると考えられる。なお,外国の裁判所で,たとえばHigh Courtなどの名称をもつものが,日本語に訳して高等裁判所と表現されている例も見受けられるが,これは適訳とはいえない。
[権限]
日本で高等裁判所の裁判権(管轄権)に属すると定められているのは,(1)民事訴訟事件,行政訴訟事件,刑事訴訟事件につき地方裁判所が下した第一審判決に対する控訴,(2)家庭裁判所で例外的に下されることがある判決に対する控訴,(3)刑事訴訟事件につき簡易裁判所が下した第一審判決に対する控訴,(4)民事訴訟事件,刑事訴訟事件,行政訴訟事件,家事審判事件に関し地方裁判所あるいは家庭裁判所が下す決定・命令に対する抗告,(5)刑事事件につき簡易裁判所が下す決定・命令に対する抗告,(6)簡易裁判所が民事訴訟事件につき第一審判決を下した場合の上告(その第一審判決に直接に上告が提起される場合と,まず地方裁判所に控訴を提起して控訴審判決が下され,それに対して上告がなされる場合とがある),(7)その他,がある。…
【裁判官】より
…大法官について,資格の定めはないが,バリスターbarrister―法廷弁護士の称号を有する者の中から,任命されるのが通例である。貴族院House of Lordsおよび控訴院Court of Appealの裁判官は,首相の助言に基づいて国王が任命し,高等法院High Courtの裁判官は,大法官の助言に基づいて国王が任命し,このほかの裁判官は大法官が任命する。これらの裁判官は定年に至るまでその職にとどまることができ,法律上は議会両院の決議によって罷免されることがありうるが,近年はその例はない。…
※「HighCourt」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」