世界大百科事典(旧版)内のhoketusの言及
【音楽】より
…原則としてユニゾンで一糸乱れずに歌うのが理想とされているのは,日本人や北米のインディアンなどだが,南米のインディオやスリランカのベッダ族は一人一人がわれわれには互いに無関係に聞こえる旋律を同時に歌う。また意図的に異なる旋律を同時に歌う方法も民族によってさまざまであり,二つの声部が平行4度で歌ったり(ヨーロッパ中世),一つの声部が低音を持続させてドローンを響かせたり(南アジア),二つ以上の声部が種々の和声を響かせることを意図した歌い方(ヨーロッパ,アフロ・アメリカ)などがあり,さらに,いくつかの声部がぶつかりくいちがうような音型を継続的に歌うことによって,全体として独特な音響とリズム型が現れるホケトゥスhoketus(ある旋律を歌詞に関係なく休符をはさんで短い断片にする)風な多声性(アフリカのピグミー,グルジア,インドネシアのバリ島)などが挙げられる。 さらに演奏の形態を別の角度から観察すると,1人ないし一団の音楽家がステージの上で演奏し,聴衆がこれを受動的に静粛に聴くという形(近代ヨーロッパ,日本)と,逆に音作りの場にいる人々がすべて積極的に演奏に参加し,弾き手と聴き手とが厳然と区別されない形(アフリカなど)とがある。…
※「hoketus」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」