世界大百科事典(旧版)内のKosuth,J.の言及
【概念芸術】より
…そこから,何であれ〈芸術家がそれを芸術と呼べば,それが芸術である〉〈芸術とは芸術の定義である〉という考え方にまで至ることになる。実際の〈作品〉は,写真や映像,文字,音を素材に用い,具体例としては,椅子,椅子の写真,辞書中の椅子の定義(文字)部分の拡大の三つを並置したもの(コスースJoseph Kosuth),3色のネオン管でthree color sentenceという文字を作ってみせたもの(同),人間の行為や自然の変化の記録(ギルバート&ジョージ,クラウス・リンケ,ハンネ・ダルボーベン,リチャード・ロング,ヤン・ディベッツ)などがある。日本の作家では河原温がいる。…
【現代美術】より
…そのことは実は,美術思想の面では,近代美術思想の極限化が1960年代に起こっていったことと相即不離の関係にあるといえる。そして,60年代後半にミニマル・アートとコンセプチュアル・アート(概念芸術)によって頂点に達するこの極限化(〈芸術といえばそれが芸術なのだ〉というコスースJoseph Kosuthの有名な言葉に象徴される)こそ,見方を変えれば現代美術思想への転換とその開始を告げていると言える。 美術における現代を考える場合には,このように様式面とともに,というよりもそれ以上に,価値概念の側面を正しく見きわめなければならない。…
※「Kosuth,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」