世界大百科事典(旧版)内のLópezPortillo,J.の言及
【メキシコ】より
…とくに公的対外債務が同政権期に5倍以上に増加し,200億ドルを超えたことは内外の通貨不安を高め,76年8月,メキシコはついに22年間にわたる固定為替相場を放棄して変動相場制に移行し,ペソは大幅な下落を余儀なくされた。
[経済危機の克服]
ペソ下落に象徴された未曾有(みぞう)の経済危機のさなかに発足した,ロペス・ポルティーヨJosé López Portillo(1920‐ )政権(1976‐82)は,労働者には賃上げ自粛を,民間経済界には積極的な投資を要請し,対外的にはアメリカ合衆国など先進諸国との関係改善を図り,外国投資の導入を促進した。また〈天然資源は国内消費に必要なだけ生産し,将来のために温存すべきである〉という歴代政権の方針から〈現在の危機を乗り切るために石油開発を推進し,石油輸出収入を有効に利用すべきである〉というように石油政策を大きく転換した結果,石油産業が経済のリーディング・セクターとなり,経済成長率は1978年8.2%,79年9.2%,80年8.3%,81年8.1%と高水準を達成し,年間約70万人の新規雇用が創出され,〈国家工業開発計画〉〈総合開発計画〉〈国家エネルギー計画〉など意欲的な開発計画が推進された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」