世界大百科事典(旧版)内の《Lettresphilosophiques》の言及
【ボルテール】より
…滞英中に構想された《シャルル12世伝Histoire de Charles XII》(1730)は歴史分野の最初の著作であるが,偉人とは戦場での勝利者ではなく,人類の進歩と幸福に貢献した人物であるという彼の史観の基本的立場が表明されている。続く《哲学書簡Lettres philosophiques》(英語版1733,フランス語版1734)は滞英見聞報告にことよせて,フランスの政治・宗教・哲学などをきびしく批判した,〈フランス旧政体に投ぜられた最初の爆弾〉である。本書は発禁処分となり,著者は投獄を免れるため,愛人シャトレ侯爵夫人の所領で,国境に近いシレーに逃れ,以後約10年間は悲劇《マホメット》《メロープ》などの著述,研究,科学実験などに費やされる。…
※「《Lettresphilosophiques》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」