世界大百科事典(旧版)内のLycosthenes,C.の言及
【怪物】より
…15~16世紀にはいると,西欧では宗教改革期の混乱の中で,世の終末を告げる異兆としての奇形の誕生に関心が向かった。リュコステネスC.Lycosthenesの《異兆と証された年代記》(1557)は怪物誕生と異変の関係を探り,ルターとメランヒトンはこれを宗教論争に利用して〈教皇ロバ〉なる架空の奇形をでっちあげ,ローマ・カトリック崩壊の予兆と喧伝した。しかし真の意味での生物学が勃興すると,怪物や奇形を自然現象の神秘と見る研究者が現れ,ゲスナー《動物誌》(1551‐58),パレ《怪物と奇形について》(1573),ショットG.Schott《自然の奇異》(1662)などの著作が現れた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」