世界大百科事典(旧版)内のMöbius,P.J.の言及
【パトグラフィー】より
…傑出した人物の精神病理的側面を検討し,それが彼らの創造活動に及ぼした影響や意義を明らかにしようとする研究をいい,〈病跡〉または〈病跡学〉と訳される。古代ギリシア以来の長い伝統をもつ〈天才と狂気〉論の流れを,精神医学の土壌で引きついだ形になっているが,これを19世紀の末から20世紀の初めにかけて精細な分析によって基礎づけたのはドイツの精神医学者メービウスP.J.Möbius(1853‐1907)で,〈パトグラフィー〉という用語も彼の論文《シェッフェルの病気について》(1907)のなかで初めて使われた。メービウス以後,この方面はとりわけドイツ語圏を中心として発展をとげ,その間にS.フロイトらの精神分析学派,ヤスパースらの現象学派,ランゲ・アイヒバウムらの社会学派,クレッチマーらの体質生物学派などが活躍して,それぞれ独自の業績をあげている。…
※「Möbius,P.J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」