世界大百科事典(旧版)内のMeidner,L.の言及
【表現主義】より
…芸術革命志向の前者と政治志向の後者とが対立し交流する中で,表現主義芸術運動には帝都ベルリンの状況を反映して世界の終末と戦う黙示録的な主題が顕著になり,それは11年にベルリンへ移住した〈ブリュッケ〉派のうちでもとくにキルヒナーの街娼群像連作や,12年のシュトゥルム画廊開きに招かれた〈ブラウエ・ライター〉派のうちではとくにマルクの《動物の運命》などに端的に示されている。マイトナーLudwig Meidner(1884‐1966)の〈革命〉に見られる大都市の混沌(こんとん)と革命幻想の描写は,グロッスの戦中の作《O.パニッツァの埋葬》やベックマンMax Beckmann(1884‐1950)の反戦的な作品《夜》につながっている。 このようにしてドイツ革命前後の表現主義美術は,ダダの過激な否定にもかかわらず,都市の崩壊や戦禍を描く黙示録的表現から,革命を射程におく時代批判的ないし風刺的な傾向へと変貌し,ディックスのようにグロテスクでリアルな作風を成立させた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」