世界大百科事典(旧版)内のNielsen,A.の言及
【デンマーク映画】より
…同じころイタリアがスクリーンの〈ディーバ(女神)〉を生み出してハリウッドの〈スター・システム〉の模範となったように,デンマークはロマン主義文学から生まれた〈ファム・ファタール(運命の女)〉を〈典型的な映画的人物に作りあげてバンプと名付け〉(ジョルジュ・サドゥール《世界映画史》),セックスを夢という名の商品にして売り出して世界を制覇するハリウッドのお手本となるのである。とくに目のふちに黒いくまをつくり,ほおが落ちくぼんだ凄絶な美に輝く〈悲劇女優〉,アスタ・ニールセンAsta Nielsen(《深淵》1910,《テンプテーション》1911)は国際的な人気スターとなり,〈北欧のドゥーゼ〉〈スカンジナビアのサラ・ベルナール〉などとも呼ばれた。 しかし,ニールセンは夫のガーズ監督とともにドイツに去り,やがてデンマーク映画はドイツの表現主義映画(表現主義)にとって代わられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」