世界大百科事典(旧版)内のqaṣrの言及
【イスラム美術】より
…(4)墓廟(クッバqubba,グンバドgunbad,テュルベtürbe,マシュハドmashhad) 方形の墓室にドームや円錐形の屋根を架けたタイプと,円筒形ないし多角形プランの高塔の形式をとるタイプに大別される。(5)宮殿(カスルqaṣr,サライsarāy) 中央に池や噴水などを設けた中庭の周囲に公私の居室を配置したものを基本的単位として,これを多様に組み合わせた例が多い。(6)城砦(カサバqaṣaba,カルアqal‘a) 初期のタイプは,古代ローマの辺境の砦の形式を踏襲している。…
【城】より
…城壁は正円形で三重,外城の直径は約2.5km,外城の周囲には堀をめぐらし,建築材料はおもに日乾煉瓦であった。アラビア語カスルqaṣrは,もとはラテン語のcastrumであるといわれ,ふつうは宮殿と訳されているが,非常時には城塞として役だつような構造のものが多かった。サウジアラビアの首都リヤードの以前の王宮なども,しばしば要塞として役だった例があり,その外にこの都をめぐる城壁もあったのである。…
※「qaṣr」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」