世界大百科事典(旧版)内のquintaessentiaの言及
【元素】より
…現代的に考えると,第五元だけが物質の本質であって,エネルギーの出入りによって固態にも液態にも気態にもなりうるのである。アリストテレスの説は第五元すなわち第五元質quinta essentiaを究極の成分とする一元論である。アリストテレスの元質が仏教の空と同じものとすれば,四大すなわち地水火風は,物質の3態とエネルギーとに対応し,これらに共通の根本成分である空すなわち元質が,物質やエネルギーの組合せとして地水火風となって現れると解釈される。…
【数】より
… 5は人間の両手両足と頭,5本の指,五感など,また身体的健康や愛,物質の本体,プラトン主義では美の精髄として考えられた。また古代・中世では四大以外の元質で,万象に拡充する第五元素quinta essentiaであり,中国では四分割の中心,または四点の統合を表す貴重な数として陰陽五行説の基礎を成した。天を意味する3と大地の2を足した数として聖なる結婚を意味することもあり,五角形または五芒星形pentagramとして魔よけに用いられた。…
【錬金術】より
…R.ベーコン,アルベルトゥス・マグヌス,トマス・アクイナスなど当時のキリスト教会の最も偉大な聖職者たちの心も,錬金術思想に強くとらえられた。これまでは排斥されていたアリストテレス哲学が,神的な自然の光を理解させるものとしてキリスト教世界に受容され,その第五元素の考え方は,天界のものが地上に深く及んでいるという錬金術特有の発想とあいまって,クインタ・エッセンティアquinta essentia(〈第5のエッセンス〉の意。英語ではquintessence),つまり,ものの〈精髄〉として重要視された。…
※「quintaessentia」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」