世界大百科事典(旧版)内のRichet,C.R.の言及
【アナフィラキシー】より
…ラテン語のana(無)とphylaxis(防御)からなり,〈無防御〉を意味するが,医学的にはアレルギー性反応の一つのタイプをさす。フランスの生理学者リシェCharles R.Richet(1850‐1935)によって1902年に命名された。リシェはイソギンチャクの触手から抽出した毒素をイヌに注射して(免疫)毒素の研究を行っていたが,第2回目の毒素を微量注射したところ,イヌは過敏状態になっていて,中毒量よりはるかに少ない量にもかかわらず,激しい症状を示して死亡することを発見した。…
【アレルギー】より
…これは現在コッホ現象と呼ばれているが,初感染の場合と再感染の場合とでは生体の反応が異なり,再感染では抵抗がたかまった反応を示すためである。1902年,フランスのリシェCharles R.Richet(1850‐1935)とポルティエPaul Portier(1866‐1962)は,イソギンチャクの毒素の研究をしているうちに,初めに少量の毒素をイヌに注射しても死なないが,その結果イヌは毒素に対して非常に過敏になり,その後はごくわずかな量の毒素を注射しても,呼吸困難,下痢,下血などの激しい症状を起こして死亡することを見いだした。そして,これをアナフィラキシーanaphylaxis(anaは反対,無,phylaxisは防御,保護の意で,無防御の状態を指すラテン語)と呼んだ。…
【リシェ】より
…フランスの生理学者。血清療法を創始した。パリに生まれ,一時文学を志したが,パリ大学で医学を修め,1887年パリ大学教授となった。精神病学や病理学の研究に従事したが,C.ベルナールらの影響を受けて,生理学分野で広範な研究を行うようになり,胃液の分泌や呼吸と皮膚の関連などについての研究を行った。さらに88年には,細菌を注射された動物は,それに対する免疫ができることを認め,90年,はじめてヒトに対して免疫療法を行った。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」