世界大百科事典(旧版)内のSaussure,N.T.deの言及
【ソシュール】より
…また,モンテ・ローザなど多くの山に登り,アルプスの地質構造,氷河,植物分布などの科学的研究を行い,その記録を《アルプス旅行記》4巻(1779‐96)に著し,登山誌の古典として,登山愛好家に多くの影響を与えた。なお,《植物の化学的研究》(1804)を著し,植物生理学の分野に功績を残したニコラ・テオドール・ド・ソシュールNicolas Théodore de Saussure(1767‐1845)は彼の子であり,言語学者として名高いフェルディナン・ド・ソシュールは曾孫にあたる。【徳久 球雄】。…
【農学】より
…イギリス人牧師J.プリーストリー(1733‐1804)は,1770年代に植物は〈空気を純化する〉(O2発生)とし,オランダ人でオーストリア宮廷医師J.インゲンホウス(1730‐99)は植物のO2発生は緑色の葉,茎だけが行うことを明らかにした。スイス人牧師スヌビエJ.Senebier(1724‐1809)はO2が発生するにはCO2の存在が必要であるとし,スイス人ソシュールN.T.de Saussure(1767‐1845)は植物の緑色部分に光を照射すると,CO2とH2Oから有機物が合成されることを証明した。それよりしばらく後の,ドイツ人植物生理学者さらに農学者ともいうにふさわしいザックスJ.von Sachs(1832‐97)は,光合成を含めて,広く植物の全般にわたる生理学研究を行い,それを取りまとめた植物・作物生理学の祖述者となった。…
【肥料】より
…しかし植物が無機塩と水を土壌から吸収し,炭素は光合成によって空気から得て生長しているということが明らかになったのは19世紀になってからである。すでに1804年に植物が光合成によって炭酸ガスを吸収していることはスイスのソシュールNicolas Théodore de Saussure(1767‐1845)によって証明されていたが,なお植物は炭素その他の養分を土壌中の腐植から得ているというA.D.テーアらの〈腐植説〉が広く一般に信じられていた。この腐植説に対してドイツのJ.F.vonリービヒが,水と炭酸ガスといくつかの無機塩で植物は育つという〈無機栄養説〉を提唱したのは40年であった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」