世界大百科事典(旧版)内のSebeok,T.A.の言及
【フィードバック】より
…【北森 俊行】
[社会科学への応用]
フィードバックの概念は,サイバネティックスの社会科学への応用ということから,経済学,社会学,政治学などにも用いられるようになり,モデルの説明のほか,広義には政策の結果をみて政策を変更するなどの場合にも用いられている。また人間のコミュニケーションを説明する概念の一つともなっており,例えばオズグッドC.E.OsgoodとシビオクT.A.Sebeokは,コミュニケーションとは話し手が聞き手に一方的に情報を伝達する過程ではなく,むしろ話し手の伝える情報が種々の要因によって規制され,システムとしての安定性が維持されるという観点から,話し手が自分自身の音声を聞きながら話の内容を修正していく〈個人内フィードバック〉と,聞き手の身ぶりや返答を確かめながら修正していく〈個人間フィードバック〉という概念を導入している。個人間の会話ではこれらのフィードバックが常に機能しコミュニケーション・システムを制御しているが,他方,高度な機械技術を使って不特定多数の大衆に情報を同時に伝達するマス・コミュニケーションにおいては受け手からのフィードバックが少なく,伝達が一方的になる傾向がみられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」