世界大百科事典(旧版)内のSidgwick,N.V.の言及
【化学】より
…G.N.ルイスとI.ラングミュアは,原子の電子核を立方体を用いて表現し,電子がその八隅で振動しているとする八隅説を唱え,イオン結合のみならず共有結合の説明に成功した。さらに八隅則が適用できなくなることもある第三周期以降の元素を含む化合物の結合様式を説明するため,イギリスのシジウィックNevil Vincent Sidgwick(1873‐1952)は有効原子番号則を発見し,配位結合の考え方を提案した。水素分子の共有結合の理論はW.ハイトラーとF.ロンドンによって初めて定量的基礎が与えられ(1927),さらにスレーターJohn Clarke Slater(1900‐76),L.C.ポーリングによって拡張され,原子価結合法として体系化された。…
【配位化合物】より
…A.ウェルナーは古典的な原子価論で説明することを断念し,1893年,金属原子を中心にして分子などがその原子特有の空間的に定まった位置に配列して第1圏(あるいは配位圏)をつくるという配位説の骨格となる理論を発表した(図3)。後になって,NH3などが結合できるのはNの孤立電子対が中心金属原子に供与されるためであることがわかり(シジウィックN.V.Sidgwick,1927),この結合は配位説を電子論的に説明するものであることから配位結合と呼ばれた。そのため錯化合物に限らず,配位結合をもつ化合物を広く配位化合物と呼ぶ場合もある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」