世界大百科事典(旧版)内のSimon,H.の言及
【作業療法】より
…精神科作業療法の歴史は非常に古く,作業が運動や遊戯や音楽などといっしょに精神病の治療法として用いられたのは紀元前からであるという。しかし,18世紀末にフランスのP.ピネルが精神病患者を鎖から解放して作業を課したことは画期的なことであり,近代の作業療法は彼に始まるといってよく,また,その学問的な体系づけはドイツのジーモンHerman Simon(1867‐1947)が1927年に賦活療法aktive Krankenbehandlungとして体系化したのが最初である。ジーモンは,作業が患者の中に残存する健康な面を強化・増進させることによって,障害された病的な部分が克服されることに意義を認めた。…
【精神衛生】より
… 近世以降の精神衛生活動をみると,18世紀末フランスのピネルは,ビセートル病院の精神障害者を拘束から解放し人道的に扱う方向を開いた。このような狭義の精神衛生の実践はイギリスのコノリーJ.ConollyやドイツのジーモンH.Simonに受け継がれた。一方,精神保健の推進運動はアメリカで盛んであり,ビアーズはみずからの体験をもとに著書《わが魂に会うまで》(1908)を発行し,コネティカット精神衛生協会を設立した。…
【精神病院】より
…そして第1次,第2次大戦下では,多くの患者が食糧難などの犠牲となった。このような風潮のなかで,ドイツのジーモンHerman Simon(1867‐1947)は作業療法を精神病院内の治療行為に用い,これを体系化し(1929),これが各国に普及するようになった。第2次大戦後,向精神薬療法が開発されてから,治癒率の向上に伴い精神病院の収容中心主義が反省され,開放的治療が促進されるに至った。…
※「Simon,H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」