世界大百科事典(旧版)内のSomadevaの言及
【屍鬼二十五話】より
…本書においては,このベーターラが,主人公である王に謎を伴う約25の物語をし,各物語の最後で王に質問をし,王がそれに対して答えるという形式をとっている。諸伝本が残っているが,なかでも11世紀のカシミールの詩人ソーマデーバSomadevaの作品が文学的に最も優れているとされる。本書はインドの内外に伝わり,多大の影響を与えた。…
【ブリハット・カター】より
…10万頌の詩句から成り,パイシャーチーPaiśācī語という俗語で書かれたと伝えられ,バッツァ国のウダヤナ王の結婚と王子ナラバーハナダッタの冒険物語を枠物語とする説話集であったらしいが,原本は散逸して現存せず,サンスクリットで要約した改作本が数種伝わっている。改作本のうち最も有名なのはソーマデーバSomadeva(11世紀)の《カターサリットサーガラKathāsaritsāgara》で,18巻2万1388頌の美しいサンスクリットの韻文から成り,350種の興味ある物語を含んでいる。ジャイナ教徒サンガダーサガニンSaṅgadāsagaṇinの《バスデーバヒンディVasudevahiṇḍi》は,マーハーラーシュトリーというプラークリット語(俗語)で書かれ,ジャイナ教化された《ブリハット・カター》の改作本とみなされ,その原形を探るうえに大きな役割を演ずるものとして注目されている。…
※「Somadeva」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」