世界大百科事典(旧版)内のswordandcloakの言及
【大衆文学】より
…中谷博が時代小説の剣を《罪と罰》のラスコリニコフの斧にたとえたのもそのことを指している。作家の中には西欧の悪漢小説や歴史ロマンス(sword and cloak),あるいは中国の伝奇小説などの骨法を活用する者もあり,その淵源は多様だが,庶民的な文芸や話芸の伝統が,明治期の速記講談(人情噺(ばなし))や新聞小説となり,政治講談,民権講談,社会講談などの流れとも相まって,民衆文芸を形成したものと考えられる。したがって菊池幽芳,渡辺霞亭らの流れをひく家庭小説の書き手である菊池寛,久米正雄,中村武羅夫(むらお),加藤武雄,吉屋信子らの作品は通俗小説と呼ばれて別の範疇に入れられた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」