世界大百科事典(旧版)内のTansley,A.G.の言及
【極相】より
…この説では,安定性と永続性を示し見かけ上は極相であるが,気候極相ではない植物群落は,土壌・人為などのさまざまな原因で遷移が停止しているのであり,その原因がなくなれば再び遷移が進行して極相に収束するものと考え,準極相subclimaxと呼ぶ。(2)多極相説 単極相説を批判し,同じ大気候の地域には気候以外の土壌・地形・基岩などの環境条件の違いに対応して気候極相だけでなく他の安定した複数の極相がモザイク的に存在すると考えるもので,イギリスのタンズリーA.G.Tansleyに代表される。多極相説では,日本の温帯の乾燥した尾根のアカマツ林や多湿な沢沿いのサワグルミ林などをそれぞれ自然状態で安定した植物群落と考え,気候極相のブナ林以外の極相を認める。…
【クレメンツ】より
…単極相説を主唱。植物群落とそこに住む動物群集とを合わせたものを有機体と見なして生物共同体と名づけ,タンズリーA.G.Tansleyによる生態系概念の提唱に契機を与えた。植物指標の研究の基礎もきずいた。…
【生態系】より
…ある地域に住むすべての生物とこれに相互に作用し合う非生物的環境をひとまとめにし,エネルギーの流れや物質循環に着目して一つの機能系とみなしたもの。イギリスの植物生態学者タンズリーA.G.Tansleyが1935年に提唱した語。
[生態系概念の発展]
ある地域に住む生物とそれをとりまく環境が互いに密接な関係をもち,全体として一つの系を作り上げているとする自然認識はかなり古くからあった。…
※「Tansley,A.G.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」