世界大百科事典(旧版)内のTellenbach,H.の言及
【躁鬱病】より
…執着性格の基礎には一度起こった感情が長く持続し,かつ増強するという感情の経過の異常があることに着目し,この異常にもとづく性格特徴として仕事熱心,凝り性,徹底的,正直,几帳面,強い正義感,ごまかしやずぼらができないなどをあげている。また,61年にテレンバハH.Tellenbachは鬱病に親和性のある人間類型をメランコリー型とよび,その本質を秩序に従うこと,つまり几帳面さに求めている。彼のメランコリー型は下田の執着性格と驚くほどよく似ている。…
【におい(匂い∥臭い)】より
…しかし他方では,〈(あいつがどうも)くさい〉〈うさんくさい〉〈臭聞(醜聞)〉〈鼻につく〉〈鼻もちならない〉など,においや鼻に関係した俗語的言い回しは,欧米やとりわけ日本にたいへん多く,こういうところから見ると,嗅覚が,せまい生理学的局面を超えて,人間的,社会的,倫理的な次元にわたる幅広い射程をそなえているのはまちがいない。 事実,ある場所にたちこめる雰囲気や,人と人の間に漂う微妙な陰影をいち早くかぎつけるのは文字どおり嗅覚の働きで,この点に着目したドイツの精神科医テレンバハHubertus Tellenbach(1914‐ )は,嗅覚と味覚を〈人間の出会いを最深部で媒介する感覚〉とみなして重要視する。この見方を如実に例証すると思われるのが自己臭症で,患者は〈自分の体からいやなにおいが発散し,そのため周囲の人たちが顔をそむけたり,不愉快そうな表情をする〉と思いこむわけだが,心理的には,人間関係の不安や不信や疎外感を嗅覚で感じとっているにすぎない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」