世界大百科事典(旧版)内のtophethの言及
【地獄】より
…ゲヘナは《ネヘミヤ記》11章30節に出ている〈ヒンノムの谷〉,または《ヨシュア記》15章8節,18章16節に出ている〈ベン・ヒンノムの谷〉からきた語で,谷はエルサレムの南をめぐり,《エレミヤ書》19章2節に見えているように,もと瀬戸かけの門の入口にあり,そこではバアルやモロクへの犠牲として幼児が焼かれ,のちには町のあらゆるがらくたや,動物および罪人の死体などが投げすてられ,それらを焼くためにいつも火の絶えなかった場所である。この谷のもつこうした凶兆が,ミルトンの《失楽園》第1巻で,〈ソロモンのげにも賢い心をあざむき,神の宮の真むこうに,あの不浄の山に宮を造り,美しいヒンノムの谷をわが森としたので,それ以来トペテtophethまたは黒いゲヘナの呼称をえ,地獄の型となる〉と歌われているように,ゲヘナをキリスト教の代表的な地獄の呼び名にした。
[新約聖書の〈ハデス〉]
新約聖書では,死者の霊の赴くところとしてはハデスが用いられ,悪しき者が永遠の刑罰を受ける場所としてはゲヘナがあてられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」